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芸術で世の中を元気にするための社会貢献事業をする団体。

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こどもホスピス芸術学校

事業の目的

<こどもホスピス芸術学校>とは

治療や入院のため、 学校に行くことが出来ず、 こどもホスピスを利用している子どもたちに、一人一人の 病状や彼らの学びたいという興味・希望に合わせて、音楽・美術・ダンスの各分野、またそれをコラボ レーションした「授業」をプロのアーティストが行うプロジェクトです。芸術を通して楽しく学んだり、 その子の可能性を広げることにより、 子どもの輝く時間を家族と一緒に共有しています。2021 年度より 本事業が始まりました。


<こどもホスピス>とは

こどもホスピスは病気とともにある子どもと家族が、第二のおうちのように一緒に安心して過ごせる場所 であり、 病気のために諦めていた「やってみたい」を叶えられる場所です。日本のこどもホスピスは欧米 諸国より遅く、 2012 年に淀川キリスト教病院にこどもホスピス病棟ができ、 独立したホスピスとしては、 2016 年大阪で開設された TSURUMI こどもホスピスが最初の施設です。本事業の拠点である「横浜 こどもホスピス~うみとそらのおうち」は 2021 年 11 月にオープンし、 独立したこどもホスピスとしては 全国 2 ヵ所目の施設です。


< 事業背景>

当団体が NPO 法人化する以前の市民団体の時から旧知である、病児を持つ家族の支援をしている NP O 理事長から命に限りがあるこどもとその家族の現状を聞き、 彼らに芸術体験を提供する必要性、 また 有効性を伺いました。 その後当法人は芸術を通じた社会貢献活動をミッションとして NPO 法人、 そして 認定 NPO 法人へと 9 年以上の活動実績を重ねてきました。神奈川県内初のこどもホスピスが開設され、 今までの実績をこの芸術学校で活かせる時が到来し、 本事業がスタートいたしました。

これまでの活動

授業の例

個別授業では、子どもだけではなくご家族や友人と一緒に行うこともあります。


<音楽>

できる簡単な曲をピアニストと一緒に楽しみました。 レッスンでは右手だけの演奏が、お子さんの弾きたいという気持ち から左手が伴盤へ。 お母さまは、最近は自らあまり手を動かそうとす ることがなかったのにと感激されていました。今では複数回のレッ スンを楽しみ、多くの曲を演奏できるようになりました。 お誕生日に音楽をプレゼント。お子さんのお誕生日はもちろん、 友達の誕生日もお祝いしたいというリクエスト。最初にアーティ ストとオンラインで友達はどんな音楽が好きかなど打ち合わせを して、 こどもホスピスで一緒に音楽をプレゼントしました。


<美術>

等身大のお絵描きがしたいとリクエスト。大きな紙に寝っ転がって もらい、 身体に沿ってクレヨンで型を描き、 出来上がった形を観察 してどんな動物に見えるか想像力を膨らませ、 色を塗りました。 海 の生物が大好きなお子さんは、 まるで水族館のように海の生物で いっぱいの作品になりました。人見知りと聞いていたお子さんでし たが、とても積極的に参加してくれました。


<ダンス>

バレエを習ってみたいとリクエスト。酸素の投与が必要で疲れやすいけれど、 心臓の為にも定期的な運動や筋トレなどは必要なお子さんの体調に気を付 けながらレッスンを行いました。バーレッスンを行った後、振り付けを 2 曲 行いみんなの前で発表しました。


<オンライン>

こどもホスピスに来られないお子さんにオンライン、またはハイブ リッドでも授業を行います。 手作り楽器を作ったり、一緒に演奏できる、何度でもいつでも見ら れる動画をお届け。クリスマスにはこどもホスピスご利用のご家族 がオンラインで集まり、クリスマスの曲を一緒 に楽しみました。


<グリーフカフェ>

グリーフケアとは死別の悲しみへのケアのことです。天国にお子さんが 旅立たれたご家族が参加しました。 自己紹介やお子さんのお話しを参 加者で共有した後、 アーティストが参加者全員のリクエスト曲を演奏し ました。 リクエスト曲はお子さんが好きだった曲で涙を流されている方 もおり、後ろから見ていてどの曲がどなたのリクエスト曲か分かるほど みなさんの想いが伝わってくる時間でした。

これまでの事業成果

準備期間だった2021年、1年目に病児の為の通所施設や医療機関に伺いヒアリングを行う他、全国こどもホスピスの研修会に参加し、以下のことを知りました。

・こどもホスピスは未だ数も少なく一般的な認知もされていない。

・治療中は家族で過ごす時間が短くなり外出に制限もある。そのため家族でイベントを楽しむと

 いう共通体験の機会が少ない。

・きょうだい児は親にあまり構ってもらえず寂しい思いをしているため、きょうだい児への支援も必要。

・病状から少しの身体の動きにも反応できるiPadなどを使った電子楽器を使ったプログラムの考案を望む声がある。

これらのことをふまえ2年目に「こどもホスピス芸術学校」を開催する他、日本で初めてできたTSURUMIこどもホスピスや難病の家族の滞在施設へ視察に伺いました。

2022年に芸術学校を開始し、以下のことを知りました。

・子どもの可能性を広げたり、病状から年相応の体験をできないことがあるため、芸術など様々なものに触れさせたいと思っている親が多く、本事業の需要があること。

・急な治療や入院のため、スケジュールが分からないことが多く、急な依頼への対応が必要なこと。

・病状や子どもの性格、希望内容により、様子を見ながら臨機応変なプログラムの変更が必要なこと。

・芸術は子どもに良い影響があると思っているけど、施設側の取り入れ方が分からないと思っていること。


1年目でのリサーチ、2年目の芸術学校本格開始でぶつかった壁は、担当する講師の育成の必要性でした。こどもが出来ることが制限される中で実際にどのような関わりが必要になるか、その前例が日本では全くありません。そこで、世界で一番最初に出来た英国のこどもホスピスで学校が開設されているヘレンハウスのドクターと連携を取りました。日本にそのシステムを取り入れるための学びやそこで使われている教材機器を取り入れ、講師たちの教育の機会を作ります。

その他の事業