一般社団法人MABADILIKO

あなたの寄付でコンゴ民主共和国における、国内避難民の妊婦・子供たちに医療を届けます

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当団体「MABADILIKO」は2023年にコンゴ民主共和国(DRC)北キヴ州・GOMAにて設立されたローカルNPO組織です。一般社団法人MABADILIKOは現地の活動を日本国内にて広く啓蒙・サポートする役割を担っています。 長引く内紛によって国内避難民の数は増え続け、690万人にも上り(国連移住機関IOMが2023.10に発表)、国内最大の避難民キャンプが、ここGOMAに存在します。 避難キャンプで過酷な生活を送る、妊婦と5歳以下の子どもに焦点を当て、無償で医療を提供する活動を行っています。

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保健センターとの連携による、エコー健診プロジェクト

事業の目的

 2024年10月1日より、MABADILIKOは週に2回の頻度で、妊婦さんを対象に無償でエコー健診を行っています。現在は近隣の1つの保健センター(Centre Medical AFIA HIMBI)と提携し、妊婦健診のために保健センターへ来院した妊婦さんの中で、エコー検査を希望する人を受け入れていますが、今後、他の複数の保健センターと連携したり、市内や避難民キャンプで積極的にプロジェクトを周知し、対象を拡大していく計画です。


 先の、2024年7月にMABADILIKOが1週間実施したエコーキャンペーンでは「エコーを受けたいけれど、検査費用が払えない」妊婦さんが多数来院されました。その大多数が、既往妊娠回数に関わらず、初めてのエコー検査であったことから、現地では殆どの妊婦が妊娠期間中に一度もエコー検査を行わないまま出産に至っているという現実が明らかになりました。「妊娠期間中、最低3回のエコー検査を推奨する」としたWHOの2016年の提言から8年。DRCではまだまだ達成が難しい目標です。


 日本では妊婦健診の際、当たり前にある「エコー」。お母さんはお腹のの赤ちゃんの様子が見れて嬉しいものですが、エコーが無いと、どんなことが困るでしょうか?まず、現地では妊婦健診自体はまずまず普及しており、その必要性もほとんどのお母さんに理解されているのですが、妊婦健診をスタートさせる時期がたいていお腹が大きくなってからなので(平均して妊娠6か月前後)、かなり遅いのです。その理由は様々なのですが、お腹が大きくなってから、いつ妊娠したかということを遡って正確に思い出せる人はまず居ません。また、保健センターにおいて、子宮底長の測定だけで割り出される妊娠週数はだいたいのものなので、正確な妊娠週数や出産予定日を判定することが難しいのです。

特に、妊娠後期においては、赤ちゃんはもう十分体重が増えて生まれても大丈夫か、もし出産の兆候があれば、それが早産・正期産・過期産のどれに当たるのか、そういった判断が正確にされることは、母子にとって安全なお産のためには不可欠です。

これまでの活動

 前回、2024年7月に1週間だけ小規模に開催したエコーキャンペーンの後、これを何とか恒常的にできないものかと思案していましたが・・・その後、とんとん拍子に保健センターと話が進み、週に2回(火・金曜日)の妊婦健診の日に合わせて、MABADILIKOでエコー健診をさせてもらえることになり、嬉しいことに10月1日から始まりました。(妊婦健診の最後に”紹介”の紙を配ってもらい、希望者はMABADILIKOでエコー検査、という流れ)

この規模であれば、大きな予算がなくてもどうにか続けていくことが出来そうです。視察がこんな形で実を結ぶとは思ってもみなかったのですが、今回の、この1つの保健センターとの提携を、これから2つ3つと増やしていくことを現在の目標にしています。


とても残念なことですが、エコー検査によって胎児に重篤な奇形が見つかる場合や、流産・稽留流産が見つかることもあります。その場合には、お母さんの身体の安全のために適切な処置を行っています。



ところで、このプロジェクト・エコー検査の前後には、全てのケースを対象に、任意でアンケートを実施しています。現地の妊娠・出産を取り巻く環境・実情を明らかにすることが目的で、来年度以降の事業計画に反映させていく計画です。この興味深いアンケートの詳細な結果は、活動報告会やニュースレターなどで共有させていただきます。



エコー検査と併せて、MABADILIKOは家族計画にも積極的に介入しています。DRCの出生率(女性ひとりが生涯に産む子供の数)は6.16と非常に高く、既に家族が十分に食べられない状況の家庭において、更に子どもの数が増え続けるというケースが多いです。子供がたくさん生まれると、子ども一人一人に掛けられるお金はそれだけ少なくなり、就学・QOLにも大きく影響します。

UNFPAも言及しているように、「家族計画は貧困撲滅政策の鍵」なのですが、現地で実際に避妊をしている女性は少なく、その要因は①家族計画サービスが啓蒙されていないことやアクセスの悪さ②避妊に使用する薬剤に対する悪いイメージ③文化的・宗教的理由など、多岐にわたります。


MABADILIKOは家族計画について、妊娠中から行うことが、将来の望まない妊娠を防ぐタイミングとして最適であると考え、正しい家族計画の啓蒙・介入に積極的に取り組んでいます。中には、一度避妊をすると二度と妊娠できないと認識している人もいるため、医療従事者より情報を正確に伝え、希望者にサービスを提供しています。(現在のところ、インプラント・投薬などの避妊処置については有償です。)

これまでの事業成果

その他の事業