地域に住んでいる看護師が忙しい家族に代わって介護のお手伝いをするのが「訪問ボランティアナースの会」。キャンナスは、英語の「できる(can)」と「看護師(nurse)」の造語。できる範囲で看護師が地域に出ていくことで、赤ちゃんからお年寄り、病気や障がいのある方でも安心して暮らせる社会にできるという思いがあります。2022年現在、全国に150カ所以上の拠点があり、それぞれの拠点で制度では対応できない支援に取り組んでいます。東日本大震災を機にネットワークと生活者感覚を生かした被災地支援に取り組んでいます。
私たちは、相互扶助の精神で活動するボランティアナースです。看護の力を地域に届け、赤ちゃんから、お年寄りまで、病気や障害がある方も、地域で安心して暮らせることができる社会づくりに貢献します。
キャンナスは、目の前の「困った」をなんとかしたいと考えるナースたちのネットワークです。各地の拠点は、それぞれ代表の思いのもとで、自律的に運営されています。活動内容は、地域課題や、それぞれのナースの思いよりさまざまですが、一部の活動を紹介します。
・家族の介護負担の軽減のための医療行為が必要な患者さんの長時間のケア
・車椅子で孫の結婚式に参加
・シングルマザーの末期癌患者と子どもの最後の家族旅行への同行
・重度障害のある子どもの通学の付き添い
・介護保険を利用していな高齢者の買い物同行
・高齢者向けの健康相談や居場所づくり
・ワンコインの入浴サービス
・家族がいない人の通院同行
・難病患者のシェアハウス 等
拠点へのアンケートでは、一番印象に残った支援として、孫などの「結婚式への参加」が多くあげられたいました。狭い意味での看護にとどまらず、ほとんどの拠点で生活支援にも取り組んでおり、公的なサービスでは対応できないニーズに答えています。
キャンナスでは、東日本大震災をきっかけに被災地支援に取り組むようになっています。目の前の困ったを掘っておけないという気持ちからで、いたたまれない思いから現場に駆けつけていました。代表の呼びかけに、各地の拠点からも多くの看護師がかけつけ、避難所での心のケアや、衛生管理、健康相談など看護師ならではの専門性を発揮てくれました。
その後、各地で頻発した豪雨や地震などの大規模災害時での被災地支援が続いています。全国の市町村に一か所づつキャンナスの拠点が増え、災害が起きた時は、周辺お拠点が助け合って、ボランティアナースを送り出せるようにしたら、大きな安心になると私たちは考えています。
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キャンナスの創設当時に比べると、訪問看護ステーションは増加し、制度上のサービスの量は増えていますが、外出支援や長時間の付き添いケアなど制度で対応できないニーズはなくなりません。少子高齢化で、社会保障財源の先行きも不透明な中、困った時はお互いさまの精神はますます重要になると考えています。