あなたの寄付で生き辛らさを抱えてしまった人に動物の優しさを届けます
当会のロゴマークには、「人と犬との絆」が描かれています。 協会ではこれまでに、被災地への訪問、国立病院、学校や高齢者・障がい者施設への定期訪問などを行ってきました。 NPO法人とちぎアニマルセラピー協会では、動物のちからでストレスや病気に悩む人たちの心をケアする「アニマルセラピー」が広く社会に浸透すること。そして動物たちが人の役に立つことで、動物たちの社会的地位の向上させることを目指しています。
『人と動物の絆』の素晴らしさを多くの人に知ってもらいたい。 そして動物のチカラを認めることで実現できる人と動物が幸せに暮らせる社会をめざします。
『人と動物の絆』をヒューマン・アニマル・ボンド (Human Animal Bond) といいます。動物の社会的認知を高め、暮らしの中で動物と触れあうことで得られる効用を活用しようという考え方です。
ヒトは昔から動物とふれあうことで「感情が豊かになる」「心が安らぐ」「行動への意欲がわく」など精神面の効果があることを体験的に知っていました。近年の研究で動物たちのこの不思議なチカラは科学的にも証明されて大きな期待をされ始めています。アニマルセラピー活動は動物の力を借りて精神的、肉体的にチカラの弱くなった人に本来の自分を取り戻してもらう手伝いをする活動です。
動物のチカラはヒトの治癒力を高めたり、認知症の高齢者や身体に障害をもつ人のQOL(Quality of Life)の向上に大きな効果があります。また、15人にひとりが発症するといわれる「うつ病」や全国で推定69.6万人(内閣府)がいるという「ひきこもり」にも大きな効果を期待されています。このような「心の病」は薬での治療は難しいことが多く、副作用で苦しんでいる人も多くいます。動物たちは人の姿かたちで判断しません。愛情には愛情で応えてくれます。まっすぐで素直な動物たちは”生きづらさ”を抱えてしまった人が本来の自分を取り戻す手伝いをしてくれます。
私たちはパートナーであり家族でもあるセラピーアニマルが人を「笑顔」にするのを見るのが好きです。普段は無表情で笑顔を見せることがないお年寄りが笑うのを何度も見ています。昔飼っていた愛犬を想い出して「ありがとう、ありがとう」と言って涙を流す人もいました。不自由な手を伸ばしてセラピードッグを撫でようとする人もいます。こんな動物たちのチカラを多くの人たちに知ってもらいたいと思います。
日本は世界的に見ても『ペット大国』である一方で『動物の殺処分大国』でもあります。環境省発表の平成29年度の収容施設のデータによると、動物の引き取り数:100,631匹/殺処分数:43,227匹という不幸な動物たちがいました。このような動物たちを減らしていくのも私たちの願いです。2013年に「北海学園大学」が行った試算では、アニマルセラピーを全国的に展開することで、犬猫の育成や運営コストを差し引いても総医療費は1350億円の削減につながるという推計が出ています。そして、さらに19万頭以上の動物の需要が発生するということです。
このような「素晴らしい動物たちのチカラを多くの人に知ってもらいたい」そしてそのチカラを認めることで不幸な動物たちを減らしてヒトと動物が共生していける社会の実現を願って活動を続けています。
昔から犬と暮らす人のほうがストレスが少ないとか長生きすると言われることがありました。犬を迎えただけでガンコなお父さんが優しくなった、家族の会話が増えた、初対面の人ともすぐに親しくなれたなど、犬を飼った人の多くが実際に経験したことがあると思います。
イギリスでは「犬と暮らす高血圧の飼い主の血圧が低下した」という研究結果が報告されており、最近では犬と接するとオキシトシンというストレスを軽減する俗称“幸せホルモン”が分泌されることも研究で解ってきました。心を穏やかにし、寂しさから引きこもる人の心を開き、心の傷を癒し、生きる希望を引き出して身体の問題を改善する…。犬達から受ける恩恵ははかりしれません。
アニマルセラピーは、そうした犬の持つ“癒しの力”を積極的に利用する治療方法です。わたしたちは、ドッグセラピー活動を通して、犬を抱いてうれしさのあまりに涙する高齢者の方や施設のスタッフの方も「◯◯さんのこんな笑顔はじめて見ました」と驚かれるほどの表情をされる方、2週間に1度程度の訪問でさえも驚くような犬たちの力を実感しています。
「犬との暮らしで、心を豊かに」。安心して犬を家族として迎えられる社会、セラピードッグが一般にも普及し、犬とふれあいを求めた時に自由に犬とふれあえる社会を目指して行くことは、人生100年の高齢化時代の中で、元気で長生き、心を豊かに暮らしていける未来を実現につながると考えています。
メルボルン大学のHeadey博士のチームによる2007年と2008年のドイツ、オーストラリア、中国におけるペット飼育と人の健康に関する大規模な調査が行われ、この結果でもペットを飼っている人は飼っていない人に比べて通院回数が15〜20%少なかった事が報告されました。医療費に換算したところ、ドイツでは7547億円、オーストラリアでは3088億円の医療費削減効果があったとされています。2018年の日本の医療費は42兆6000億円。アニマルセラピー活動は、日本の医療費削減問題でも大きな役割を果たすものになると考えられます。