あなたの寄付でまた新しい一歩を踏みだすための居場所を育みます
ムジナの庭は、生活や就労に障害のある方が心身のバランスを取り戻し、仲間や応援団を増やして、次のステップへ進みやすくするための「就労継続支援B型事業所」兼「就労定着支援事業所」です。
『何歳からでも、リスタートできる社会へ』 どんな生きづらさや背景を抱えていたとしても、誰もが未来に安心し、何度でもチャレンジを続けられるよう、「いつでも帰れる家」 のような場所でありつづける。
*photo|yurika kono
「今さら、もう遅い・・・」「今さら、何ができるんだろう・・・」
ときどき、そんな諦めの言葉を耳にすることがあります。
その背景には、それぞれの”生きづらさ”や”辛い過去”が隠れていることがほとんどです。
何かの拍子に、新しい一歩を踏み出すことができなくなってしまったり、自分の可能性を閉ざしたままにしてしまったり。なんらかの障害によって、さまざまなことを背負い込んで、思うように動けなくなってしまう方は、わたしたちの想像以上にたくさんいるのだと思います。
大それたことでなくてもいいし、はじめから完璧にこなせる必要もない。
「挑戦」という言葉は大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、まずは自分のできることから、マイペースに、少しずつ納得感を見つけられたらいい。
働くことでも、暮らすことでも、新しい何かをはじめることややり直すことに、本来は”リミット”なんてないはず。
「就労継続支援B型」という繰り返し契約が可能な形態に決めたのも、「何度でもやり直せる場所」でありたいと考えたからでした。
どんな生きづらさや背景を抱えていたとしても、未来に安心して、いつだって新しいことに挑戦し続けられる社会をであってほしい。
そんな想いも持って、ムジナの庭は活動しています。
常に不安がつきまとう心もとなさ、味方が誰もいないような孤独感、どこにいてもしっくりこない違和感・・・。
それぞれが抱えているものは千差万別ではありますが、「居心地の悪さ」というのは共通している感覚だと言えるような気がします。
”安心できる”・”心地よい”、そうした感覚がなければ、リスタートは難しいのだと思います。
自分の可能性を探る前に、まずは心が落ち着く「安全基地」のような場所を見つけること、
そしてその場所を拠点に、応援してくれる仲間を少しずつ増やしていくことが大事だと考えています。
わたしたちは、”いつでも帰れる家”のような存在であるために、心地よい環境づくりにこだわっています。
たとえば、カーテンのない窓からは、周囲の森や隣のお寺の巨樹、庭の草花がいつでも眺められ、鳥のさえずりも聞こえてきます。
たとえば、半個室のような畳の空間では、ひと休みしたり、からだケアのプログラムを行なったりしています。
そして「みんなの」というのは、文字通りの「みんなの」で、内部のメンバー・スタッフに限ったことではありません。
連携してサポートを行う行政や関係機関、ご近所さんをはじめとする地域の方々、協働していくパートナーさんたちなど、
ムジナの庭にいながらその心地よさを、みなさんと共有していくことで、安心や可能性がより広がっていくのではないかとも想っています。
ケア・サポートのアプローチとして、「身体感覚」・「感情の発露」は重要なキーワードだと捉えています。
障害によって、感情が分からなくなること、出しづらくなること、コントロールできなくなることは少なくありません。
自分の感情が分からないがゆえに、動き出し方が分からなくことも多々あります。
そうしたなかで、「手を動かすこと」を軸に、五感に作用する作業を多様に取り入れることにしています。
ふと嗅いだ香り、ふいに投げかけられた言葉、何気なく食べているもの、作業に没頭する時間。それらがいつの間にか心や体へ作用している要因をキャッチすることで、自分なりの働き方や暮らし方を見つけていけるのだと考えています。