虐待などで親を頼れない若者たちが安心して自立に向かえる事を目的とし、シェアハウスでの生活支援、アフターケア、若者たちのSOSの受け取り窓口や関係機関との連携など、困った時に「助けて」が言える役割を担います。
強く、優しく、くじけず、あなたが自分のいのちと心を守っていけるよう、私たちは家族同様見守ります
・社会的養護の必要な若者たちへシェアハウス「夢コート」の提供
・親に頼れない若者たちへむけた定期的な面談、居場所づくり、企業との就労連携、必要に応じた他機関との連携
【 ご挨拶 】
認定NPO法人四つ葉のクローバーの理事長をしている杉山真智子です。
私が児童養護施設にボランティアに通っていた頃、幼稚園の年中組さんだったある男の子がいました。
その子に「おばちゃんのお家にお泊まりに行きたい!」とせがまれて、私は里親資格をとりました。
夏休みや冬休み自宅に連れて帰り念願のお泊まり。
「一緒に買い物し、ご飯を作りご飯を食べ、お風呂に入り一緒のお布団に寝る」
一般家庭であれば当たり前の普通の生活に目が輝きます。
夜お布団に入ってからも幼稚園であった事やらたくさん話しをしてくれました。
ふと話が途切れたので眠ってしまったのかと思って覗くと、彼は声をころして泣いていました。
「なんで、おばちゃんが、ボクを産んでくれへんかったんや!」
「ごめんな」と謝る私のお腹をバンバン叩いて
「ここから生まれたかった。おばちゃんの子どもにして。」
泣きじゃくる年中児を抱っこして二人で泣きながら寝たことが私の人生を変えました。
「施設で先生たちの愛情を一杯もらっておいで。18歳になって施設を出たら、おばちゃんが大きなお家を用意して待ってるから!」そう約束して作ったのが四つ葉のクローバーのシェアハウスです。
シェアハウスという居住の支援だけではなく、並行して進学・就職を家族の代わりに寄り添う「伴奏型支援」も行っています。
【 18歳以上の子どもたちのSOS 】
原則多くの子どもたちは18歳を過ぎると施設を出て自立しなければなりません。
親に頼れない環境の中、自分の人生を隠し、不安、寂しさ、口惜しさなど、複雑な感情を抱えながら毎日生きている子もいます。
上手に困難を乗り越えられる子もいます。
大人になってからも自立が出来ず、生きづらさを抱えながら苦しんでいる子もいます。
そんな、現実がわたしたちの身近にあります。
【若者たちの声を発信!クローバードリームライブ2023開催に向けて】
2013年に民間で立ち上げたNPO法人は10年目に突入しました。33名が当ホームを卒業、現在は男子4名、女子4名が共同生活をしながら高校、大学、仕事に通っています。
コロナ禍期間は日々若者たちと関わる職員にも緊張が走り続けました。慣れない感染防止対策や自粛要請による混乱で入居者の「日常」を守るために職員自身も不安な中、『コロナ禍があろうがなかろうが、シンドイ子どもたちがここに来ているという現実』があることを強く感じた3年間でした。
現在では児童養護施設出身者は1割程度で9割が家庭からの入所となっています。10代後半まで保護されずに不適切な養育環境のなかで辛い幼少期を送らざるを得なかった子どもがやっと安心できる居場所にたどり着けたのが私どものホームになるということです。法改正により状況によっては22歳まで延長可能となりました。大人を信用していない青少年との愛着関係を結ぶことは容易くはありません。責任ある立場の担当職員は彼らとの関わりのなかで失敗が予想できるときでもあえてじっと待つ。焦る心を押さえ、見守り、彼らが失敗を経験し、失敗してもやり直せることを隣で辛抱強く待ちます。実際に問題が起これば傷つくのは青少年だけではなく職員も想いがあればこそ実力不足や責任を感じて傷つきます。葛藤を抱え、悩んだ末に結果的に支援がうまくいかない時もあります。「子どもに最善の利益」を与えてあげられているのか、苦悩の日々であり、大変な現場ですが彼らから教えられることは多く、学びの現場と言えます。ただ一つ言えることは「支援者」という上から目線ではなく「人」として対等であることが求められているのだと実感します。
成果や結果はすぐには目に見えないもどかしさがありますが、クローバードリームライブを4年ぶりに開催できることになり、ワクワクが止まりません。卒業生たちと繋がり続けたからこそ、ステージに堂々とたつ彼らの姿を見ることができます。ホームでの経験が確かな生きる力に繋がっている姿は嬉しく、頼もしいです。