コーディリエラ・グリーン・ネットワーク 日本事務局

あなたの寄付でフィリピン山岳地方の環境と先住民の暮らしのために活動しています

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フィリピン・ルソン島北部のコーディリエラ地方の環境保全と先住民の暮らしの改善を目的として活動しています。植林をはじめ、コーヒーのアグロフォレストリー(森林農法)による栽培指導、収穫したコーヒーの品質向上のための技術指導やフェアトレードを行っています。また、先住民の子供や青少年を対象とした演劇やアートを活用した環境教育ワークショップも開催しています。環境教育教材の出版事業、フィリピンと日本の文化交流プログラムなど、幅広い活動をフィリピンを拠点として行っています。日本事務局はその活動のサポートをしています

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「演劇ワークショップで環境問題に取り組む」環境問題をテーマとした演劇交流プロジェクト

事業の目的

2021年5月、新型コロナウィルスの世界的な流行により、延期していた「環境問題をテーマとした青少年を対象とした演劇交流事業」<3年目>を、オンラインを使いながら実施することにいたしました。フィリピン・コーディリエラ山岳地方、インドネシア・スマトラ島北部アチェ州、そして長野県上田市の3か国が参加します。それぞれの地域で、移動や集会の規制を遵守してオンラインを取り入れながらも、それでも演劇にとってなくてはならない「人と出会い、人を感じる」ことをあきらめずに、各国ぞれぞれにプログラムを展開し、オンラインでの国際交流を行っていきます。

テーマは「民話に学ぶ」。参加者の若者たちが、民話に読み取れる古来からの叡智を、どのようにコロナで揺れる現代社会に生かしていくかを演劇ワークショップを通して学んでいきます。それぞれの国での経験をオンラインで共有する国際交流イベントを2021年8月8日に開催予定です。


プロジェクトは、国際交流基金アジアセンター文化創造協働助成、公益財団法人大阪コミュニティ財団/ 匿名基金NO.22、子どもゆめ基金 の助成を受けていますが、オンラインでの実施になったことによって必要となったビデオ制作費、フィリピン、インドネシアでの参加者の交通費、食費、オンラインでの実施状況を記した報告集の制作費などが不足しています。

どうぞご協力よろしくお願いいたします。


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<このプロジェクト全体の目的>

演劇ワークショップを通して、参加者の若者たちが地域の抱える環境問題についての関心を高め、実際に環境保全のための行動を起こすことを目的としています。

プロジェクト地域:フィリピン・コーディリエラ山岳地方/そのほかのアジアの先住民族が暮らす地方/日本の地方都市など

対象:環境問題を抱える地方の青少年や子供たち、教員など

プロジェクト実施の方法:環境教育の新たな手法として、演劇をさまざまな社会問題解決のために活用する応用演劇の手法を活用しています。演劇は知識のみならず諸感覚や感情をも含む全人的な活動であり、概念的理解だけでなく行動の変容につなげることができます。具体的なモジュールについては、対象や地域、解決した環境問題によって、ファシリテイターとともに手法を練って演劇ワークショップを実施しています。さらに演劇ワークショップを通してアジアや日本の人たちと国際交流を行い、地球に暮らす全ての人がともに考え、取り組まなければならない環境問題解決ののために具体的な行動を起こすきっかけづくりにも取り組んでいます。ファシリテイターは、日本で応用演劇に関わる専門家、フィリピンをはじめアジア各国の演劇プラクティショナー、アーティストなどを招へいしています。

これまでの活動

●2006年8月~2011年3月 コーディリエラ各地にて環境教育プロジェクト「エコシアター・キャラバン」開催(キープ協会主催/地球環境基金助成助成)

●2012年4月~2013年3月 ルソン島北部山岳地方におけるアートを活用した環境教育モデル事業(地球環境基金助成)

●2012年5月 マウンテン州サガダにおける青少年を対象とした環境演劇ワークショップ(大竹財団助成)

●2013年4月~2015年3月 フィリピン・ルソン島北部山岳地方マウンテン州における教育職員を対象とした環境教育指導者養成事業(地球環境基金助成)

●2014年4月~2017年3月 ルソン島北部先住民族の子供たちを対象とした演劇を活用した環境教育プログラム(りそなアジア・オセアニア財団助成)

●2017年4月~2019年3月 フィリピン、インドネシア、日本の青少年を対象とした環境問題をテーマとした演劇交流事業(地球環境学研究所共催/国際交流基金アジアセンター助成)

●2018年10月 上田市街中演劇祭でフィリピンからプロジェクト参加者を招聘し「棚田をめぐる物語ーPayo-Voice of the Community」公演とワークショップ

●2019年9月 大分県安心院高校、宮崎県五ヶ瀬高校にて、フィリピンからプロジェクト参加者が招聘され、国際交流プログラム参加


※それぞれの事業の詳細については、CGNのプロジェクト特設フェイスブックページ、CGNホームページや活動報告ブログでご確認ください。

フェイスブック:https://www.facebook.com/theaterworkshopifugao

ホームページ:https://www.cordilleragreen.net/

ブログ:http://cordillera.exblog.jp/

これまでの事業成果

応用演劇ワークショップでは以下のような手法を実践してきました。

 ー地域に伝わる自然と生き物や人間をテーマとした民話の収集とそれをベースとした演劇作品

 ー地域が抱える環境問題(鉱山採掘問題、世界遺産&世界農業遺産の棚田の存続)にかかわる様々な立場の人に聞き書きインタビューを行い、演劇ワークショップでそれをベースにした作品制作。

 ―詩劇Dula-Tula

 ーフォーラムシアター

また、演劇欠かせない舞台美術や音楽制作の以下のようなワークショップも行ってきた

 ―バックドロップ(背景幕)アートワークショップ

 ー竹製民族楽器作りワークショップ


CGNによる応用演劇によるワークショップでは、脚本を作りません。また、演出家という人も存在しません。場面設定や配役などは、ワークショップの過程で、参加者がファシリテイターによるさまざまなプログラムの中で、少しずつ構築されていきます。テーマとなる環境問題は、紙書かれた「モチ」ではなく、ワークショップの過程において一人一人のかかわり方や考え方が話し合われ、それらが反映された「問題」として浮かび上がってきます。フォーラムシアターなどの手法では、問題を解決するためにどうしたらいいかを、観客も交えて意見交換する場も創出っします。

環境問題というというと地球レベルで取り組むべき大きなテーマで自分の暮らしには関係ないと思いがちですが、実際に地球環境の未来を担うのは、自然資源を擁する山奥の森に暮らす先住民族たちにあると言えるでしょう。このプロジェクトでは、演劇ワークショップの手法を通して、先住民自身が身近な自然の豊かさを顧み、起こりつつある環境問題について知り、その外の世界への影響を学び、当事者としてかかわり方を考える場を提供してきました。

演劇ワークショップの最後には小さくても大きくても必ず発表公演の場を設けており、観客である地域の人などにも広く環境問題を伝える場となってきました。教育プログラムは目に見えた成果を数字で表すのは難しのですが、この演劇ワークショップに参加した人が、小さくてはあっても解決するための行動を起こしていると確信しています。

その他の事業